2つの愛④
こんにちは。公認心理師・ビリーフチェンジ心理セラピストの宮﨑くみこです。
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2つの愛について
前回の記事の続きです
前回は【父性的な愛】について。まずは【母性的な愛】を受け取った後で【父性的な愛】を、バランスよく受け取ったこどもは、
「何かがあってもきっと自分は大丈夫!」と、自分を信じる事が出来るようになり【自信】がつき、その結果【自己効力感】が育まれる。というお話でした。
では今日は、もしも、何らかの理由で【父性的な愛】を受け取る事ができなかった場合。の事を書いていきます。
1-1|【父性的な愛】の特徴の裏返し
【父性的な愛】の特徴の裏返しで起こることは
・自信が無い
・問題から逃げる ・心が折れやすい ・ストレスへの耐性が弱い ・不安が強い(怖い事を避けたい) ・人と深く関われない(傷つきたくない) ・大切な人や自分自身を守れない ・頼りない・チャレンジできない ・自分で決断できない ・自分で人生を切り開けない ・受動的、受け身になる ・無気力・依存的(無境界) ・ニート・引きこもり 等など… |
と、言われます。
どのような状態か?と言うと、問題解決能力や、自信を身に付けていく事、自分のやりたい事に進んで行くエネルギー等【父性的な愛】で、獲得するものが育まれない為、
どこか自信が無く、何かに挑戦するような時には、いつも漠然とした【不安】を抱えやすくなります。
なので、何かする時にも誰かに【指示】をされないと動けません。しかし指示をされたとしても【不安】がある為、何度も「これで良いですか?」と、確認したくなってしまいます。
そして、人との関係、又は仕事等でのトラブルや、自分自身が傷ついたりする事が嫌(怖い)ので、人間関係が深くなる事を避け、人との関りが希薄な関わり方になったり、
ストレスへの耐性が弱い為、嫌な事や問題、トラブルが起こると、仕事の場合、すぐに辞めてしまったり。という事も起こります。
そうなると、中々自分が望む人生を生きる為に、あれこれ思いを巡らせたり、目標を持ち、それに向かって現実を見て、行動したりすることから、遠のいてしまいますね。
1-2|どうして起こるのか?
では、どのような場合に【特徴の裏返し】が、起こるのか?という事ですが、
私が学んだ【ビリーフチェンジ】のたなだ先生のお話が、とても分かりやすいので、こちらでもシェアしますね。
例えば、代表的な事としてあげられるのは、
・両親が離婚、又は死別して物理的にお父さんが身近に居ないケース。
・お父さんじゃなくとも【父性的な役割】をしてくれる、父性を持った人が側に居なかったケース。
・こどもを母親に任せっきり。という態度の父親のケース。
・お母さんが、お父さんを嫌っていて【排除】しているケース。
・こどもにお父さんの悪口を言って聞かせるケース。 ※ーーー※ーーー※ーーー※
このような事が起こると、こどもはお母さんの影響下から離れて、お父さんの影響下に入っていく事ができなくなり【お母さんの影響下に留まり続ける】という事が起こります。 |
以上が、たなだ先生からのお言葉でした。
上記以外にも、様々な理由はありますが、ここで大切な事は何か?というと【お母さんの影響下に留まり続ける】と、いう事です。
【母性的な愛(優しさの愛)】に、留まり続ける事で、結果様々な挑戦や問題解決という【父性的な愛】を元に行う【経験】のチャンスを失ってしまっているんですね。
1-3|「ありのまま」の履き違え
【2つの愛③】で書いていましたが、こどもに、世の中のルールやマナー、モラル等を伝える事は【父性的な愛】でしたね。その時に、こどもは自分の思い通りにならない事で、もしかしたら、大泣きするかもしれません。
しかし「ダメなものはダメなんだよ」と、一貫性を持って、こどもに伝える事が、とても大切になるのですが、
この数十年の間に、世の中の流れとして、その部分を【こどもの「ありのまま」なんだから】と【こどもの思いを優先させ、大切にする】という子育て論が一人歩きしました。
本来、集団で生活をし、皆が心地よく過ごす為に設けられたルールやマナー、モラルの中にこどもにとっての【安心・安全や自由は存在し】
それを守る事は【社会生活】の中では大切な事で、それを、嫌だ!と言って守る事をしない。という事は「ありのまま」では無く「わがまま」です。
又、こどもに嫌な思いはさせたくない。と、こども同士のトラブルも、親が最初から乗り出して解決したり、困った事にならないように、先回りをして環境を整えたり。
そしてその結果、様々な【経験不足】により、不安が強かったり、ストレスへの耐性が弱かったり、人との関りが希薄(どうすれば良いか分からないので避ける・又は知らないので気づかない)な若者の増加に頭を悩ませる人達が世の中で増えている現状があります。
1-4|真逆の事が起きている
この時点で、お気づきでしょうか?そもそも、現在世の中の子育ての中で、よく行われている事が真逆の事になっている。ということです。
今までの事で言うと「こどもの為」という【母性的な愛のつもり】でしていた事が【母性的な愛の裏返し】で、本当は【父性的な愛】になっていて、
「こどものありのままだ!」という【父性的な愛の裏返し】は【母性的な愛】になっているんですね。
真逆の事が、日々の生活の中で起きている。という事は【順にバランス良く】という事は、到底難しい事になってしまいます。
だけど、本当に、ママやパパは【こどもの幸せ】を願い、日々試行錯誤しながら、子育てを頑張っていると思うんです。
だからこそ、大切なそのエネルギーを、本来の意味在る部分に、注いで欲しいと願っています。
そして、他にも気を付けておきたい事として、もう少しご説明したい事があるので、その部分は、又次回に!
では、又月曜日に♪
※この記事で書いている【父性的な愛】の部分である【ルールやマナー・モラル】とは、こどもを押さえつけたり、大人の身勝手な言い分や力で理不尽に言う事をきかせたりする事を言っている訳ではありません。(2つの愛③をご覧ください)