2つの愛-②
こんにちは。公認心理師・ビリーフチェンジ心理セラピストの宮﨑くみこです。
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2つの愛について
前回の記事の続きです。
前回も書いたように【母性的な愛】の次に【父性的な愛】を受け取り、そこからは、この【2つの愛】を、バランスよく与える事が大切になるのですが、
こどもは【成長欲に満ち溢れています】だから、何にでも興味を持ち、失敗や成功という概念もなく【本来何にでも挑戦したくなる】という所からスタートします。
だけど、前回も書いたように【母性的な愛】が【過度】になった時、例えば
・これはあなたの為よ ・危ないからママがしてあげる ・嫌な思いはさせたくない ・失敗しないように ・こどもは何も知らないから親が守ってあげないと ・ママの言う通りにすれば大丈夫 |
等親の無意識による【前提】がある為、本人(こども)には、親が知りえないような沢山の制限が掛かります。
1-1|こどもの「本当は…」
今からご紹介するのは、鹿児島の心理セラピスト仲間が、ブログに書かれていた記事を、一部抜粋して掲載しています。
母はさまざまなことに、厳しいルールを課していました。 テレビは母が決めた番組だけ(主にNHK)漫画や外での買い食いは禁止。おやつも母が決めた分だけ小学生なのに夜は8時就寝です。
友達とこっそり買い食いをしたのがバレると、母からすごく怒られたし、友達から借りた漫画本をベッドに隠していたら、母に見つかり「こんなもの読んで…」と泣かれました(別に普通の漫画ですよ)
「みんなはやってることなのに、何で私だけやらせてもらえないの!」と、反発する気持ちと、
「母に怒られたり、泣かれたりする私はもの凄く悪い子、ダメな子なんだ…」という罪悪感とがごちゃ混ぜになり、母の事も自分自身の事も大嫌いになりました。
今思えば、母は子育てに対する理想がものすごく高かったのだと思います。
世の中にはびこる有害な情報や添加物など「毒」になるようなものを「全て排除」して、自分のこどもを「心身ともに健康な良い子」に育てたかったのでしょう。
その思いが強すぎて、沢山の【ルールを作って私を縛った】
それは紛れもなく母なりの愛情だったと、今ならわかるのですが、好奇心が旺盛で、気の向くままにふらふらしたいこどもにとって、そういう母の存在は鎖や足枷でしかありませんでした。
母が私に与えまいと【排除】した世の中の「闇」や「毒」は、抑圧された分、かえって大きく膨らみ、当時は人が残虐に殺されるミステリーやホラー漫画ばかり、隠れてこっそり読んでいました。
12歳だった私は、本当に自由を渇望していて、母に胃癌が見つかって、入院する事になった時も、どこか解放感すら感じていたんです。
その半年後、母が亡くなった時は、悲しみや喪失感よりも「もう何も言われなくてすむ…」と、せいせいしていたような記憶があります。
恐ろしいこどもですよね… |
記事前後の続きは→コチラ(母と娘の愛情のミスマッチ)
※本当は愛が存在していた事を書かれています。その部分も大切なので、是非読んでみて下さい。
1-2|何が起きているのか?
このような関りをしている時、親の中に【大きな怖さや不安、そして社会に対する不信感】が隠されています(親が持つビリーフ)
そして、こどもの心理的な状態は【自分がやりたい!】という欲求や主張は無視されて「こうした方が良いよ」と、親の価値観を渡され、
その時のこどもは【出来ない子】のポジションに置かれ【個】としての成長欲を制限される為、無意識に
・共感や受容をしてもらえていない
・優しさや柔らかさもない ・調和も、繋がりもない など… |
そのような【感覚】を感じて、結果【母性的な愛情の裏返し】の行動が起こってしまう事もあります。(2つの愛①に書いてあります)
これは、親が【こどもの為】と、懸命に【母性的な愛】で、関わっているつもりでいても、受け取る側のこどもにとっては【厳しいルール】【共感が無い】状態で【父性的な愛】が過剰(懸命)になっているんですね。
1-3|してあげたのに…
親はこどもの為と思って【あんなに愛情深くしてあげたのに…】と、言われますが、せっかくの深い愛情だけど、先にも書いたように、
親が抱えている【前提(ビリーフ)】の【世の中に対する不信感】と同じように
【こども自身が本来持っている「個」として成長する力】というものを【信用する事ができていない】状態で、でも、実はそうする事で、こどもが自分の言う通り・思い通りになってくれると、やっと【安心感】を得られる。という事が起きています。
だけど、繰り返しになりますが、この場合こどもが、自分で本来持っている「個」としての成長する力を【奪っている事】になっているので、
過保護や過干渉というものは、決して【母性的な愛にはならない】という事を、知っておくことは、とても大切で、現在の世の中では、非常に多く起きている事です。
でも、これは親が【良かれと思って】【こどもの為に】と、それが「正解の子育てと信じて」懸命にしている事なので、中々気づけない方が殆ど。
だからこそ、この部分の理解は、とても大切な事だと私は思うので、この【母性と父性】のお話をする時には、沢山の例え話を交えて、お話をするようにしています。
1-4|確かに存在する「愛」
だけどね、そこには【こどもの心身の健康を願う思い】というものが、確かに【愛】として存在しています。だからこそ勿体ない!【伝え方】という事が、とっても大切なってくるんです。(この詳しい部分は公式LINEで伝えています)
そしてこれは、親が全て悪い訳でもなく、世の中の風潮として【ダメなもの・悪いものは排除する】というような、極端に偏った子育てが、
あたかも【良い事・素晴らしい子育てをしているママ】のように、称賛されている事が、原因の一つにもなっているように感じます。
1-5|現実に起こっている事
【事実】私の所にご相談に来られる方の中には、親が極端に添加物等を排除していて、
小さい頃から、世の中に出回っている食べ物がいかに「毒」で「危険か」を教えられ、皆が食べるお菓子を禁止されていた子の中には、
親の前では【友達があんなお菓子食べてて信じられない!】と、親が喜ぶような事を言っていても、実はこっそりと隠れて食べていたりしていて、
その後【食べる事】=【(毒・危険だから)怖い事・罪悪感を感じる事】として摂食障害で苦しんでいる子が居る事実も、皆さんに知っておいて欲しい事です。
※食を気を付ける事がダメではなく、それは私達も大切にしています。ただ、極端に「排除」する事の【伝え方・方法・やり方】というのを、今一度考えてみて欲しいと思っています。
今回は、たまたまお友達のセラピストさんが、添加物について書いていたので【食】について書きましたが、
実はこのような【こどもの為】という大人の発想や行動が、こどもにとっては真逆の事。という事は、普段の生活の中に、実に多く溢れています。
だからこそ【愛情の受け渡し】について、もっと深く知ってもらえると良いなぁ。と、思います。
次回は【父性的な愛】について、書いてみたいと思います。
では、又月曜日♪