トンネルが怖い!馬が教えてくれる心理学
おはようございます。公認心理師・ビリーフチェンジ心理セラピストの宮﨑くみこです。
1-1|ハエが大嫌いな馬と気にしない馬
これから、季節は春を「あっ」という間に通り過ぎ、灼熱の夏がやってきますね。
馬達は暑さに弱い為、私達のクラブでは1頭に1台ずつ業務用の扇風機を付けています。

1馬房に1台ずつ
そして余りにも暑い日は、馬達が嫌いな「ハエ」も少ないのですが、ちょっと曇ったり気温が下がった日は「刺しバエ」と言って、馬の血を吸うハエが集まってきます。
その時の様子を見ていて【分かりやすいなぁ~】と感じた事です。
3月に亡くなったトリニティやルキナ、ポニー達は、日頃から「ボーッ」としていて、
ハエたちが寄ってきても、尻尾を振り、たまに皮膚をプルプルさせるだけで、特にイライラもせず、ひたすら扇風機の風に当たっています。

放牧中の【ルキナ】
一方、微妙な扶助でも感じとり反応する「元レーニングホース」だったジャックは、

【ジャック】
ハエが身体に付くことを敏感に感じ取るため、ハエが身体に止まることをとても嫌がります。
そして【嫌いなハエが身体に付かないように】と【頭を振りながら馬房の中をぐるぐる歩き回る】という【努力】を一生懸命にしています。
すると、一体どんな事が起きると思いますか?
1-2|努力逆転の法則
「ボーッ」として、ハエの存在をある程度認めながらも、それに囚われていないルキナや他の馬達は、

【ジャック】と同じ毛色の【ルキナ】
ひたすら扇風機の風を浴びているので、汗をかくこともなく、集まってくるハエの数もさほど多くありません。
しかし、懸命に【ハエが身体に付かないように】と、ハエの存在を完全に拒否し、それに囚われているジャックは、
ずっと馬房の中を「歩き回る」という努力をしているため汗でびっしょりになってしまいます。
すると、その汗の匂いに引き寄せられたハエたちがジャックの周りには異常な程沢山集まってくるんですね~😂
【一生懸命「そうならないように」と、努力をすればする程望む結果から遠ざかる】これこそが、まさに【努力逆転の法則】なんです。
馬達の存在は【自然の摂理】・【心理学の法則】を本当に自然と教えてくれる【馬は美しいセラピスト】と言われる所以だと思います。
1-3|トンネルが怖い!
私がパニックの時も【パニックにならないように、ならないように】と、それに囚われている時は、
逆にちょっとした【不安】を感じただけでも、パニックの症状が出るようになり、悪循環を繰り返していました。
又、パニックの時に一番苦手だったのが【トンネル】

対向車が来ると余計怖かった!
暗さと圧迫感のある狭さから、心臓がバクバク早くなり、呼吸も苦しくなるんです。
最初は訳も分からずに【次こそはそうならないように!】と音楽を流して必死に歌ってみたりするけど、
そうすればする程、トンネルを通るずっとまえから「又なったらどうしよう…」という不安が大きくなり、心臓がバクバクするようになりました。
そして【事故るかも!】という恐怖を感じてからは、自分でトンネルを全く運転できなくなりました。
なので、遠方に1人で行かなければいけない時には、道中にトンネルが無い経路を探して…。
【トンネル】を拒み、避けることに必死で「その経路だと私には無理だ…。」と、自分一人で移動する範囲がとても制限されてしまいました。
1-4|どんな自分も「私」
だけど、今では自分のワーゲンで仲間と「ツーリング」にも行き、高速道路のトンネルも全然平気になりました😊
それはなぜ?だと思いますか?
私は心理セッションを受け続け【パニックになる私も私】【パニックになってもいいや】【きっとその時は誰かが助けてくれる】
という感覚が自分の中で育まれてから、パニックは殆ど出なくなったし、出そうになっても自分で治めることができるようになりました。
そして、トンネルに入る前、そして中に入った時の身体の反応を感じ、何度も自分が運転している場面をイメージしました。
そして【もう大丈夫!】という感覚が自分の中で育ってから【トンネル】にチャレンジしたんです。
安心安全を感じながら運転できるように、先ずは隣に人に乗ってもらってからスタートしました。

大好きな友達も横に乗ってくれると益々安心♪
すると「あれ?全然平気!」という体験ができ、その感覚を何度も体感覚で感じました。そして、1人で挑戦してみると全く問題ない!
それどころか、トンネルに響くワーゲンのエンジン音が最高で、思わず窓を全開にして、トンネルの中の走行を楽しむことができています😊
私の周りにも【トンネルが苦手】という方が多いですが、実はそれはパニック症状の一つ。そしてそれは「そんな性格だから…」と諦めなくても克服することは可能なんですね。
1-5|日常に溢れている
ハエが大嫌いなジャックも、トンネルが苦手だった私も【そうならないように!】と、一生懸命努力しすぎると、かえってその目的から遠ざかってしまう。
という心理学的な現象の【努力逆転の法則】が起きていたんですね。
・子どもが嫌な思いをしないように。と、懸命に努力していると、逆に子どもが不安に敏感な子になってしまった。 ・夫婦仲がこれ以上悪くならないようにと懸命に努力していると、夫が逆に「一人の時間が欲しい」と言ってどこか冷たくなった。 ・プレゼンで緊張しないようにと懸命に努力して資料を作り努力していると、逆にここまで準備したのに上手くいかなかったらどうしよう。と余計に緊張や不安が強くなった。 |
などなど…
私達の日常にはこのような【努力逆転の法則】がとても多く存在しているんですね。
1-6|努力をするのなら
あなたはどうでしょうか?「一生懸命努力をしているのに、なぜか?上手くいかない」そんな事はないですか?
拒否や否定、排除からは、実は「安心・安全」な感覚は生まれません。
・そうなるのも、自分だし(自分が自分を認める力) ・きっと自分は大丈夫(自分を信じる力) ・そうなってもきっと誰かが助けてくれる(人を信用できる力) ・きっと今は辛くてもそれが子どもの成長になる(相手を信じ見守る力) |
等々の感覚が自分の中に育まれていくと、青枠の状況から抜け出せそうに思えませんか?
どうせ努力をするのなら、上記のようには思えない【自分の中にある課題に取り組む】ことが、
実は拒否や否定、排除よりもずっと幸せに近づけるのではないか?と、私は自分の体験も含めてそう感じています。
では、又月曜日に♪
※毎週ブログには書いていない事、そして馬達の写真等も配信している、公式LINEへのご登録も是非😊