私は正しいあなたは間違っている!
おはようございます。公認心理師・ビリーフチェンジ心理セラピストの宮﨑くみこです。
もくじ
1-1|私は正しい あなたは間違っている!
私達は誰しも【自分の考えは正しい・間違ってない】と感じることがあります。
特に自分の信念や価値観に基づいて判断した時、その【正しさ】を相手に伝えたくなるのは、自然なことかもしれません。
でも、その【正しさ】が知らず知らずのうちに、相手を傷つけたり、関係性が悪くなったりすることがあるのはなぜでしょうか?
【自分が正しい!・私は間違っていない】【常識的にこれが正しい】そう思うときほど、私もそうですが強い口調になったり、時には相手を言い負かそうとしてしまうこともありますよね😂
【正しさ】は、確かに必要です。社会のルールを守る為、よりよい選択をするため、そして自分の信念を持って生きる為に。
でも【正しさ】が一方的に押し付けられたとき、それは鋭い刃物のようになってしまうことがあります。
1-2|正しさの背景にあるもの
心理学では、私達が自分の考えを【正しい】と信じる背景には【確証バイアス】という認知の偏りがあると考えられています。
これは、自分が信じている「情報」や「価値観」を【支持する証拠ばかりを集め】反対意見を無意識に無視したり、軽視したりする傾向です。
このバイアスが働くと【自分の意見は正しい】【なぜ相手はそれがわからないのか?】と、
感じやすくなり、知らず知らずのうちに、相手に自分の正しさを押し付けてしまうんですね。
1-3|更に背景にある「正しさ」へのこだわり
又、いつもお伝えしている【ビリーフ】が関わっていることもあります。【ビリーフ】とは、自分が無意識に信じている価値観や信念、ルールのことです。
自分が無意識に【こうあるべき・これが正しい・人はこうするべき】と信じている枠組みであり、絶対に守らなければならないルールです。

心の鎖でつなげているものかも…
例えば
・間違ってはいけない ・人に甘えてはいけない ・人は助け合うべき ・人に迷惑をかけてはいけない ・人は約束を守るべき |
など、沢山あります。
【私は正しい】と思う時、多くの場合、無意識に【自分が大事にしている「ビリーフ」が脅かされたり、試されたりしている状況】が背景にあります。
なので、本当は【相手が間違っている!】のではなく「自分が信じているルール(ビリーフ)と食い違っている状態」です。
そのため、自分が信じている【ビリーフ】に【反応が起こります】
自分が大事に信じている【人生のルール】が、相手によって「否定」されそうになると、防衛反応として【正しさ】を主張したくなるんですね。
1-4|「正しさ」で自分を守ろうとしている
自分のビリーフが否定された!と感じるとき、私達は無意識に【防衛反応】を働かせます。
例えば
・「自分が正しい」と思い込む(合理化) ・相手を責めることで自分を守る(投影) ・相手の言葉を聞かないようにする(否認) |
こうした反応は、自分の【価値】や【存在の安定感】を守るためのものです。
つまり【私は正しい】と強く主張している時、実は自分の内側に【脅かされるような不安や傷つきやすさ】があることが少なくありません。
1-5|正しさが自己価値の支えになっている
ビリーフの多くは、幼少期の経験を通じて形成させます。
例えば幼少期に
・良い子でいると褒められた、認められた ・間違うと怒られた、否定された |
等の体験があると【正しくある=価値がある】というビリーフが内面に根付くことがあります。
その場合【間違う】【相手と意見が違う】【自分の「正しさ」が疑われる】ことは【自己価値が崩れる危機】のように感じられるんですね。
だからこそ、人は無意識に【正しさにしがみつく】ということをしてしまいます。
1-6|正しさを感じたら
実は…
・「私は正しい」と強く感じて、相手を論破したくなっているときは、自分の不安を打ち消したい時かもしれません。
・意見を押し通したく感じる時は、拒絶されたくない。認められたいのかもしれません。
・相手が間違っていると感じるときは、自分の信念が脅かされているのかもしれません。 |
要するに、一見【正しさの主張】は、自信からくるように見えますが、実は【不安や傷つき】から自分を守るためのものでもあります。
つまり【正しさ】を握りしめている自分を見つけたときこそ【私は今、どんな不安や価値観を守ろうとしているのかな?】と、内側を丁寧に見つめるチャンスでもあるんですね。
例えば
彼女:「ちゃんと人(私)に迷惑をかけず予定通りにやるべきだったよね!」 彼:「でも、急な事情があったんだよ…」 |
日常によくある場面ですが、このとき【人に迷惑をかけてはいけない】のような【ビリーフ】が反応して【迷惑をかけずちゃんとやるべき!】と、感じたり
相手の事情よりも【ルール違反】に意識が向いてしまい、つい強く指摘したくなります。だけど、その背景には
・予定を守らず人に迷惑をかけ、責められた経験がある ・親から「人に迷惑をかけたらダメ」と言い続けられた ・大切にしてもらえていないように感じて悲しかった |
等の過去の経験や大切な感情、刷り込みなどが隠れていることも少なくなりません。
1-7|自分の価値と正しさ
そして、私達の中には【正しい自分でいなければ価値がない】といった【思い込み(ビリーフ)】が存在していることもあります。
それは幼い頃
・ちゃんとできた時だけ褒められた、見てもらえた ・間違うと怒られた、否定された、無視された ・親の期待に応えなければいけなかった ・世間体ばかりを気にする親だった |
など、そのような環境や経験が影響していることもあります。
そのため【人に迷惑をかけている】【間違っているかもしれない】と感じた瞬間に
【自分はダメなんじゃないか?】【価値がなくなってしまうかもしれない】という、【不安が無意識に反応】してしまうんですね。
1-8|自分の内側に気づくこと
だから【私は正しい!】と思ったときこそ、自分に問いかけてみて下さい。
・私は今、どんな「価値観やルール」を【守ろう】としているんだろう ・相手の言葉に、なぜ?こんなにも反応してしまったんだろう ・本当はどんな「不安や感情」が在るんだろう |
【正しさ】を主張したくなるとき、それは自分の内なる声に気づくチャンスなんですね。
1-9|本物の「対話」へ
【正しさ】は私達の行動を支えてくれる大切な力です。だけど、それを【人に押し付けてしまう時】
実は【自分の「脆さ(もろさ)」を守っているだけ】のことでもあります。
そして、相手は何も言えないようになり、本当の【対話】ができなくなってしまうんですね。
正しいかどうか?で争うよりも【何が自分の中で反応しているのか?】を見つめることで【対話】はずっと優しく、深いものに変わっていきます。
そして正しさの先にある【お互いを尊重すること】へとつながります。すると、自分が本当は望んでいる、相手との心地よいつながりや、関係性が育まれていくんですね。
それには、まず自分の「正しさ」で相手を責めるのではなく「自分を理解すること」から始まるのかもしれません😊
では、又月曜日に♪
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