立ち止まった日
おはようございます。公認心理師・ビリーフチェンジ心理セラピストの宮﨑くみこです。
1-1|最後のプレゼント
実は今月に入ってすぐ。北九州の大好きな「いとこ」が、この世を去りました。私より1つ上のお兄ちゃん。
産まれてすぐに両親が離婚、1人っ子の「いとこ」は、いつも三姉妹の私達を見ては「いいなぁ。俺はいつも寂しい」と、小さい頃から言ってました。
その時私の姉達は「まこは私達の弟よ!」と言い、私は姉を取られまいと「私のお姉ちゃんよ!」と小さい時よく2人でケンカをしてたなぁ。
そんな「いとこ」の容態が悪化し、約2週間前に「会って会話できるのが最後かもしれない」という事で会いに行って本当に良かった。
もう既に社会人になった4人の子ども達と義母さんが、すぐ隣に居て、お母さん(私の叔母)と暮らし、
皆が自由にそれぞれの家を行き来して、笑顔が絶えない家族の中でベッドに横になっていました。
「いいなぁ。俺はいつも寂しい」と小さい頃から言っていた「いとこ」は、こどもを4人授かり、2人のお母さんに囲まれ、望んでいた家族の形を手に入れたんだな。と、胸が熱くなりました。
ちょうど、訪問診療の看護師さんが来られて「いとこ」を尊重しながら、丁寧に言葉に耳を傾け体調を気遣い、それでいて、おばちゃん3姉妹の私達を見て、
「今日は綺麗なお姉さん達も居て心が弾むね♪」と、冗談交じりの楽しい会話もしてくれて、小さい頃から変わらない、「いとこ」の笑顔がこぼれていました。
そして「いとこ」が言った【死ぬのは怖くない家族が一緒にいてくれるから】という言葉。
大好きな「いとこ」は私に、改めて【立ち止まる日】を最後にプレゼントしてくれました。
1-2|心の繋がりは消えない
私も含めて、必ず【明日】という日が来ることを、信じて疑いません。明日はこれをして、来月はこれをしよう!って、
当たり前に日々を過ごし、当たり前の明日…。
だけど、始まりがあれば必ず終わりはやってきます。この世に生を受け【生きる】という事は【死に向かうこと】でもある。
そう考えると【生き方・人生】という部分が、なぜ?人にとって常に大きなテーマになるのか?って、納得いく気がします。
とは言っても、いつもいつも【当たり前に感謝!】なんて私も、できていません。
だけど、今回また【私はどう生きたいのか?】と【立ち止まる】という機会を与えてくれた大好きな「いとこ」
私が【大切にしたい事は何か?】【大切にしたい人は誰か?】そんなことを見つめ直すことが、大好きな「いとこ」の命に敬意を払うことのように感じました。
そして今「いとこ」の肉体はこの世から消えてしまいましたが【心の繋がりは決して消える事は無い】という感覚も感じています。
1-3|生まれてきてくれてありがとう
お通夜、そしてお葬式が終わり、火葬場で待機していた時、4人の子ども達が、自分達に残してくれたメッセージ(LINE)を見せてくれました。
お父さんの子どもとして、生まれてきてくれてありがとう。
それぞれの言葉かけの最後に、くくられていた言葉。4人共同じでした。
子育てをしている時、親って自分自身もまだまだ若くて未熟で、余裕がなく、ただ毎日を懸命に生きる事だけで精いっぱい。
悩みや迷い、憤りや悔しさ、悲しみや怒り、怖さ等【どうして良いか分からない感情】を、子どもにぶつけてしまいがちです。
私自身もこども達に手を挙げたり、罵声を浴びせたり、本当に酷い事を沢山してきました。
でも、だからって子どもに自分の感情をぶつける事は、決して許されることではありません。
そして、年を重ね自分が少し成熟し余裕が出てきた時、心の中で【申し訳なさ】を抱えていると同時に【子どもの幸せ】を心から願っています。
これは、私自身もそうだし、そのように言われる方は、とても多い。
だけど、子どもは【生き残りをかけて欲しかった愛】をもらえる事無く、逆に心の傷を抱えたまま、その過去の傷つきから大人になっても人生が前に進めなくなっている。
そんな場面を、心理セッションの中でいつも目の当たりにします。
そして私自身も受けた心理セッションの中で【何を!今更!】と、両親に怒りを感じた事もありました。
でも、この【純粋な怒り】こそがとても大切で、この部分の昇華(消化)が、【良い意味での諦め】となり【囚われた過去からの独立宣言】となります。
1-4|過去のせい?それとも…
【親子の愛情】というボタンの掛け違い。
切なくも美しい【自分の中の本当は在る愛】に気づいた時、人は自分の人生が大きく変化していきます。
そして、大切な事は【大人になった今の自分が苦しんでいる】のは今はもう【過去の親のせい】ではなく
【過去に囚われている「今の大人の自分」が自分自身を苦しめている】
という事に気づく事。なんですね。
4人の子ども達が、それぞれどのように「いとこ」(お父さん)の言葉を受け取ったかは分かりませんが、いつかきっと届くと信じています。
そして「いとこ」の【純粋な愛と繋げてくれた命への感謝】を私はとても感じました。
1-5|お勧めの本
今回のように【立ち止まる】という時、私がいつも読んでいる本があります。
※こちらから購入できます 著:小澤 竹俊 |
人生の長さは人それぞれ。過ごす場所や関わる人、親子関係や、抱く思い、湧き上がる感情も人それぞれ。
全く違う人生を歩んだ人達が「共通する」【死】を目前にした時、人はどんな事を考えるのか?どんな事に直面するのか?
人生という大きな幕引きの模様が、ありありと書かれていて、心にグッと入り込んでくる内容です。
人生の長い、短いは関係なく【死】に直面した方々の語る想いや、向き合う姿勢等、先人たちの最期に触れながら、
私達自身が【生き方】について、問われているのではないか?と、私はいつもこの本を読んで感じます。そして今回も、何度も読み直しました。
とっても読みやすい量の本です。是非あなたもご覧頂き【自分の生き方】について。一度立ち止まり振り返ってみてはいかがでしょうか?
最後に「まこちゃん、大切な機会をありがとう。ずっとずっと大好きだよ」
では、又月曜日に♪