職員研修
おはようございます。公認心理師・ビリーフチェンジ心理セラピストの宮﨑くみこです。
1-1|共通言語
現在、毎月年間を通して【職員研修】をさせていただいている施設がありますが、又今回新たに職員研修のご依頼をいただきました。
【職員研修のメリット】は、職員さん同士が「見た目で起きた出来事を判断しなくなる」という事と「共通言語」で意思疎通ができるようになること。だと、私は感じています。

【心と身体は同じように大切】とは言うけれど、目に見える身体の為に、良質な食事・運動等、整体等、身体のメンテナンスはしますが、
私達は【目に見えない心】について、一体どれぐらい知っているでしょうか?
私達は1人1人育った環境が違います。なので、捉え方や感じ方、その時に湧く感情も人それぞれ。
にも関わらず、同じ場所・同じ環境・同じ時間・同じ内容を共有し、同じ目的を成し遂げていく【職場】という場所で、一日の大半を過ごしています。
そこで、大切になってくるのは【コミュニケーション】を取りながら【信頼関係】を築いていくこと。

しかし、これが一番難しい。と、皆さんが感じることではないでしょうか?なぜなら、そこに関係しているのが【目には見えない心】だからです。
これは、職場に限らず、夫婦・親子・親戚・友達・学校の先生・ママ友等々【人間関係】全てにおいて通じることですね。
しかし、身体にも体調を崩してしまう原因や対処の仕方があるように、実は心にもなぜ?そうなってしまうのか?という心の仕組みや対処法はあります。
それを【職員研修】では働く皆で一緒に学んでいきます。なので【心に関する「共通言語」】が増えていき、
自己理解が深まっていくと、働く相手のことも考えられるようになっていくんですね。

もちろんすぐになれるわけではありません。だからこそ【毎月開催すること・続けること】が、とっても重要になってきます。
さて、私が関わらせて頂くような【支援の現場】にいる方ほど、次のような悩みを抱えやすくなる例をみてみましょう。
~【もっとできたはず】という自責~
相手の苦しみを前にすると、支援者さん(又は親御さん)は自分の力不足を感じやすくなります。

「私の関わり方が悪かったのでは」「もっと早く気づけたはず」と、必要以上に自分を責めてしまう。という方も多く耳にします。
~【相手の感情を「自分の責任」として背負ってしまう】~
相手が怒る、落ち込む、混乱する。そのすべてを「私のせいかもしれない…」と感じてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、本来は相手の方(又はこども)の感じ方、捉え方であり、その方の【人生のプロセス】であるはずのものを、支援者さん(保護者さん)が肩代わりしてしまっている状態です。
~【境界線が曖昧になり疲弊する】~
「断れない」「頼られると応えたい」「嫌われたくない」
こうした思いが積み重なると、支援者さん(保護者さん)は自分の時間・感情・身体感覚を後回しにして、消耗し疲弊していきます。
~【「良い支援者(親)でなければ」というプレッシャー】~
支援者さん(親御さん)は「優しく」「理解があり」「常に冷静で」「揺らがない」存在であるべきだという幻想を抱きがちです。
その理想像に自分を合わせようとすると、心が固まり、苦しくなります。
1-2|なぜ支援者さん(親御さん)はこうした悩みを抱えやすい?
支援者さん(親御さん)は共感性が高いほど、相手の感情を自分の身体で感じ取ります。

これは、ミラーニューロンの働きにより、相手の緊張・不安・怒りが自分の内側に入り込みやすいのです。
又、支援者さん(親御さん)の多くが幼少期から
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という経験を持っています。そのため「助けられない・役に立てない=自分には価値がない」というビリーフ(思い込み・価値観・信念)が無意識に働きます。
そして、支援の現場では【困りごと】に触れる時間が圧倒的に多い。
なので、脳や自律神経は危険や問題に注意を向ける性質があるため「本当はできていること」「本当はうまくいっていること」が見えにくくなります。しかし
そして本当は他者の内面は完全に理解することはできません。
それでも支援者さん(親御さん)は「理解しなければ」「寄り添わなければ」と自分を追い込みます。この【完全理解の幻想】が苦しみを生みます。

1-3|例えから見えること
例えば
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Aさんはある日、発達特性のある小学生Bくんの対応に悩んでいました。
Bくんは帰りの会で突然パニックになり、椅子を蹴り、泣き叫びました。
Aさんは落ち着かせようと声をかけたものの、逆にエスカレートしてしまい、最終的には別の職員が対応しました。
帰り道、Aさんは次のように自分の内側で自分をを責め続けました。
胸のあたりが重く、呼吸が浅くなり、頭の中では過【1人反省会】が止まりません。 |
この時起きたこと。それは、
人はストレス状況に置かれると、脳は「危険や失敗」に注意を向けやすくなります。 これを選択的注意(Selective Attention)と呼びます。
本当はAさんは、
- うまくいった部分
- 他の子どもへの配慮
事前にできていた関わりには注意が向かず「失敗した部分だけが強調される」状態になっていました。

これは上記の説明のように、脳の自然な反応であり能力不足ではありません。
そして、支援の現場は【困りごとに触れる時間が長い】ため、 脳はポジティブな情報よりもネガティブな情報を優先して記憶します。
そのためAさんは「今日の支援でできたこと」よりも 「できなかった一点」だけを反すうし続けてしまったのです。
そして身体では、Bくんのパニックは、Aさんの身体にも緊張として伝わります。
支援者は共感性が高いため、相手の不安・恐怖を自分の身体で感じやすい。
その結果、 「自分の感情」と「相手の感情」の境界線が曖昧になる という現象が起きます。
又、Aさんの背景には、次のようなビリーフ(思い込み・価値観・信念)が働いていました。
幼少期から
- 人(親)の期待に応えないといけない
- 人(親)の役に立つことで見てもらえる

そのような経験を通して上記のようなビリーフ(思い込み・価値観・信念)を持ったAさんにとって
「助けられない・役に立たない=自分の価値がない」と感じやすくなります。Aさんの自責は、このビリーフが刺激された結果でも、あるかもしれません。
そうして、余計に支援者さん(親御さん)は【理想の支援者像(親像)】を無意識ながら持ちがちです。
- 常に冷静
- 子どもの気持ちを理解できる
- どんな状況でも対応できる
こうした【完璧な支援者像(親像)】が、Aさんを苦しめていました。

だけど、他者の内面は完全には知り得ないと言われます。
支援者さん(親御さん)は「理解しなければ」と思うほど、理解できない現実に苦しみます。
Aさんは「Bくんの気持ちを理解できなかった自分」を責めていましたが、 それは【本来誰にもできないこと】なんですね。
人間はそもそも不完全であり、支援者さん(親御さん)も例外ではありません。
むしろ【不完全なまま関わる勇気】こそが、支援者さん(親御さん)の成熟につながっていくのではないか?と私は思います。
1-4|幻想を手放す
巻き込まれた感情をほどくには、まず自分の身体に戻ること。
- 足の裏の感覚
- 呼吸の深さ
- 椅子に座ったときの重さ
身体感覚に注意を向けることで、過剰な共感の渦から抜け出せます。

そして、Aさんの「失敗した」という感覚は【解釈】であり、 事実は「その場で別の職員が対応した」だけです。
事実と解釈を分けることで、心の負担が軽くなります。
また、支援者さん(親御さん)の価値は「結果」ではなく「姿勢」にあります。
- その場に居続けた
- 子どもを尊重した
- 落ち着こうとした
これらはすべて価値そのものです。そして、
「私は本当はあの場面で怖かったんだな」
「私は本当は嫌われたくなかったんだな」
「私は本当はできない自分を認められなかったんだな」
と、自分の本音を丁寧に気づき扱うことで、ビリーフは少しづつ緩んでいきます。

支援者さん(親御さん)は伴走者であり、救済者ではありません。
相手の人生の主体は相手自身です。
この前提に立つと、過剰な責任から解放されます。
「相手を理解する」という幻想を手放すことが大切だと思います。ただ「相手を理解しようとする」ことは可能であり重要です。
支援者さん(親御さん)は揺れながら、迷いながら、それでも支援を必要とする方々や、子どもと関わり続ける存在です。
その【不完全さ】こそが、支援者さん(保護者さん)の人間性であり、信頼の源になります。

1-5|支援者もまた一人の人間
支援者さん(親御さん)は自分の弱さを隠しがちです。 しかし、弱さを認められる支援者さん(親御さん)ほど、相手の弱さにも優しくなれます。
そのためには、まず自分自身が【自分の味方】である必要があります。

その為に【職員研修】はとても役立つ。私はそう考えています😊
では、又月曜日に♪
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